日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.158 【半減期は短いほうが良い指標?】血液データに関するQ&A

質問

炎症マーカーについて、CRPは白血球に比べて半減期が長いため、慢性炎症をみる指標とありましたが、同じく半減期が長い赤沈との違いは何でしょうか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床研究会 講師陣

CRPと赤沈の違いは2つあります。

一つは炎症の発症時から異常値になるまでの時間です。
具体的にはストレス刺激からCRPの増加は6〜12時間、赤沈亢進には24〜36時間を要します(図)。

二つ目に感染症の原因によってストレス反応が違います。

CRPはウイルス感染症や小児の感染症では正常値である場合があるのに対し、赤沈は貧血・妊娠・アルブミン減少・γグロブリンやフィブリノーゲン増加などで亢進するなど、反応するタイプが異なります。

CRPと赤沈を両方測定することにより、炎症の時期や状態を大まかに理解することができ、慢性炎症疾患の活動性や治癒判定に利用できるのです。

両者の推移に注目してみてください。