日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.152 【検査値の解釈が変わる!】HbやAlbを見る前に、先に見るべきデータとは

質問

脱水時には、血液が濃縮して数値が高く出る項目があると聞きましたが、イメージができませんでした。詳しく教えてください。

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床研究会 講師陣

まず血液の構成からおさらいしましょう。
血液は血球と血漿に分けられます。
脱水時には血液の中でも血漿成分(サラサラの水分)が減り、血球やタンパクなどの数は変わらない状態です(図右側)。
すると、同じ量を採血したときに、より多くの血球やタンパクが含まれるため、これらの数値はみかけ上多く見えるのです。
具体的に影響を受けるのは、ヘモグロビン(Hb)やアルブミン(Alb)などです。
これら血球やタンパクの指標を見る前に、脱水をチェックしましょう。
脱水の指標は、ヘマトクリット値35%以下、BUN/クレアチニン比 10以上が目安となるので、まず、脱水の存在を確認してから、血球やタンパクの数値をみる癖をつけることをおすすめします。