日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.143 【貧血・心不全で食欲不振】評価するポイントとは

質問

重度貧血・心不全で入院した患者様が、空腹感がなく食欲不振にて低栄養状態です。食事姿勢や食形態を変えるも5〜7割程度しか摂取出来ていません。先生であればどんな評価を行いますか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床研究会 講師陣

重度貧血や心不全による低栄養では、嚥下の問題に併せてフレイルのアセスメントを重視しています。
フレイルがある方は、「オーラルフレイル」といって、嚥下機能の低下を認める可能性が高いためです。
フレイルのアセスメントは、日本版CHS基準(J-CHS基準)を参考にみています。
①体重減少②筋力低下③疲労感④歩行速度⑤身体活動などをみて、
この項目の内3項目以上はフレイル。1~2項目はプレフレイルとなります。
この患者さんがフレイルであれば、栄養療法と離床に加えて、筋力トレーニングといったアプローチも行っていきましょう。
フレイルの状態で早期から介入することができれば自立度の向上も期待できるので、ぜひこのアセスメントも行ってみて下さいね。