日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.128 ワーファリンと肉・納豆

質問

ワーファリンを内服されている患者さんで、 納豆を食べてはいけない理由を教えてください。

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床研究会 講師陣

ワーファリンは、心房細動やD V T(深部静脈血栓症)の患者さんに対して、血栓予防の目的で使用され、 各凝固因子に働きかけることにより抗凝固作用を発揮しています。

ワーファリンが働きかける凝固因子は、Ⅱ・Ⅸ・Ⅶ・Ⅹです。
覚え方は「に(Ⅱ)・く(Ⅸ)・な(Ⅶ)・っとう(Ⅹ)」と覚えてください。

抗凝固作用にはビタミンKが必要とされていて、このビタミンKは、「止血のビタミン」とも呼ばれています。 すなわち、本来血液が凝固する際には、ビタミンKが重要な役割を果たします。

そのためワーファリンは、凝固を抑制することから、別名「ビタミンK拮抗薬」とも呼ばれ、ビタミンKの働きを抑えることにより抗凝固作用を発揮します。

したがってビタミンKを多く含む納豆や青汁などを摂取してしまうと、ワーファリンの効きが悪くなってしまうため、患者さんにはこのような食品を摂らないように説明されています。

患者さんから、なぜ納豆を食べてはいけないのか?
質問を受けたら、
「薬の効果が薄れてしまうため」
ということを説明できるようにすることも大切なケアの一つですので、ぜひ知識の一つに加えてみてはいかがでしょうか。

ちなみに、ワーファリン内服中は出血傾向のため、離床による転倒などには注意が必要です。