日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Vol.2 「多職種とのコミュニケーションのコツ 」

みなさんは、右のような図を目にすることはありませんか?

医療現場において、近年「多職種連携」「チームアプローチ」という言葉をよく耳にします。 これは、各専門職が個別に患者へ関わるのではなく、複数の職種で情報を共有し、 患者を中心とした医療を展開していくべきであるという考え方に基づくものです。

さて、当院リハビリテーション科の目標も「チームアプローチの構築」です。・・・とは言いましても、見ていることや考えていること、業務内容の違う多職種と連携をとることは難しいです。 マンパワーが足りない、多職種で集まる時間がとれない、診療報酬にならない、など問題は山積みです(汗

このような中、私(理学療法士)が普段から意識していることは「多職種とのコミュニケーション」です。 コミュニケーションは、現状の把握・方向性の統一・問題点の顕在化など、チームアプローチには欠かせないものです。 私は普段から、以下の3点を意識して看護師さんとコミュニケーションをとるようにしています。

①離床に入る前に患者さんの状態を看護師さんと軽く情報共有する

②離床に入った後は介入時の状態、どこまで進んだかなどを報告する

③私が個人的に思う患者さんの将来像(退院時に必要な能力・状態)についてを伝え、 今後の進め方を相談する

まとめ

私の実践している一例を紹介させていただきました。 このような内容を受け持ちの看護師さんだけでなく、病棟師長やリーダーにも話しかけて、現状と今後を見据えた会話を展開するようにしています。 時間を割いて集まるカンファレンスではなく、日常会話として行うと無駄が省けて、複数人と共有することでより早く臨床に生かされると思います。

チーム連携というと堅いですが、私はただ単純に「同じ考え方の仲間をつくること」と考えています。 みんな色々な視点をもって患者さんを見ていますので、今患者さんに必要なこと、今後患者さんに必要なことを話し合い、 同じ目標を持って取り組むことができれば、それは「仲間=チーム連携」の第一歩になり得るはずです。 それぞれの専門性を「コミュニケーション」で共有し、日々の医療に生かしていきましょう。

離床推進ファシリテーター
渭南病院 長野祐介