日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

気管挿管前に行う腹臥位ついてはこちら

ARDS患者に対する腹臥位について新たな可能性が示されました。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6993481/

この研究では、
呼吸障害を示すARDS患者に対し、
気管挿管下の人工呼吸器管理となる前に、
腹臥位とHFNC(高流量鼻カニュラ酸素療法)を組み合わせて行うことで、
気管挿管を避けることができる可能性がある報告しています。

この研究の対象はARDS患者ですが、
重症のCOVID-19患者もARDSの症状を呈するため、
酸素療法を行いながら、腹臥位を早期に導入することは、
COVID-19患者にも有益かもしれません。

但し、4/6現在、
COVID-19患者に対するHFNCの使用は、
エアロゾル感染のリスクを高める危険があるとして推奨しない(呼吸療法医学会・日本臨床工学技士会:リンク1)とされています。

現状、呼吸療法医学会・日本臨床工学技士会の推奨に従い、
HFNCの使用は避けている施設が多いため、
国内では、エアロゾルを大量発生しない酸素投与機器を用い、
腹臥位を行うことが考えられます。

実施の検討にあたっては、
COVID-19患者介入時のガイドライン(リンク2)を参照し、
適切に対象患者を見極める、
呼吸状態悪化のどの時期から、どのような機器を用いて行うかを考える、
などの慎重な対策が求められます。

リンク1: http://square.umin.ac.jp/jrcm/pdf/info20200407.pdf
リンク2: https://www.jsicm.org/news/upload/Physiotherapy_Guideline_COVID-19_V1_ja.pdf