日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【低栄養患者への離床】消費カロリーからみた負荷とは?

低アルブミン血症の患者さんや、炎症が強い状態の患者さんでは、運動をすると蛋白が消耗される可能性があるため、負荷の強い運動は避けるべきだが、廃用を予防するため離床が継続すべきといわれます。

でも、本当にそのような状況で離床を継続して大丈夫なのでしょうか。参考になる報告がドイツから届きました。

Nydahlらは、人工呼吸器装着中の患者さんについて、離床中の消費カロリーを間接熱量測定法で調査し、離床の負荷について検討しました。その結果、ベッド上臥位を基準としたときに、座位で+ 0.4 kcal、立位で+ 1.5 kcalであり、カロリー消費という観点からは大きな負荷ではないことがわかりました。

積極的な活動が難しい状況の患者さんでも、最低限の離床は継続可能であり、必要であると感じる研究です。

下記原典では、細かい6つの離床レベルにおける消費カロリーを見ることができ、とても参考になります。

是非、ご覧ください。

Peter Nydahl et al. Caloric consumption during early mobilisation of mechanically ventilated patients in Intensive Care Units. Clin Nutr. 2020 Aug;39(8):2442-2447.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31732289/

この情報が皆さんの診療に役立つことを願っております。