日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【重症頭部外傷に早期離床!?】Dr中西の離床面白エビデンス

人気コーナー「Dr中西の離床面白エビデンス」の最新情報をお届けします!
このコーナーでは、当会の医師部会の中西医師が“これは面白い”という、離床にまつわるエビデンスを紹介。
中西節でわかりやすく、楽しく、ユーモアを交えて教えてくれます。

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みなさんこんにちは。筋萎縮ゼロプロジェクトの中西です。

今回は「重症頭部外傷では早期に離床・リハビリをした方がいい?」という内容を紹介します。皆さんは、重症頭部外傷で早期離床・リハビリしていますでしょうか?脳保護のために安静!意識レベルがよくなるまではベッドサイドで看護師が他動的訓練を!意識が良くなったら頑張りましょう!などと、なっていないでしょうか?

おっとっと、、、となっている方はこちらの文献は必見です。アメリカのCasertanoさんは、重症頭部外傷での早期の積極的な理学療法、作業療法が認知機能を改善させるか、後方視的研究を行いました。アウトカムは退院3,・6・12カ月後の、GOS-Eというスケールで測定した神経学的予後です。結果は早期・強化リハビリをした患者さんの方が、退院後の6・12カ月後の長期的な神経学的予後は良好だったようです。やはり、重症頭部外傷でも早期離床・リハビリ重要なようですね。

特に認知運動解離がある患者さんでは神経学的予後は良好でした。認知運動解離??って感じですね。認知運動解離とは外見上は反応がない、命令に従って動けないにもかかわらず、脳内では「動こう」「命令を理解して実行しよう」という、活動が起きている状態を脳波で確認できている状態です。重症頭部外傷で認知運動解離は25%くらいの患者さんにみられるようで、この所見があると神経学的予後は良好なことが多いようです。

今回の早期離床・リハビリに関しても、脳波でこの認知運動解離を認める患者さんであれば、神経学的予後改善は良好であったようです。もしマンパワーが限られるようであれば、
脳波をとって、認知運動解離を認めるので、この患者さんは早期離床・リハビリを実施しようという時代がくるかもしれません。そうなれば、次は生理検査技師さんがマンパワー不足になりますかね。とほほ…

Frequency of physical and occupational therapy in the ICU for patients with cognitive motor dissociation: a retrospective cohort study
https://link.springer.com/article/10.1186/s13054-025-05767-z