日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【KAMに影響を与える因子】運動器最新エビデンス

新コーナー「整形外科・運動器最新エビデンス」の最新情報をお届けします!このコーナーでは、運動器リハビリのエキスパートである海津先生が“これは面白い”という、整形外科・運動器にまつわるエビデンスを紹介。数値や統計の専門用語が出てきますが、このシリーズで、かみ砕いて解説してくれるので、少しずつ慣れていくように、是非、読んでみてください。

今回は「KAMに影響を与える因子」という内容を紹介します。

*********************************

膝関節内反モーメントを示すKnee Adduction Moment :KAMは、歩行中に膝がO脚方向へねじれる力で、
内側コンパートメントへの負荷を高めるため、膝OAの痛みや進行と関連するとされています。

KAMには立脚初期のKAM1と立脚後期のKAM2の2つのピークがあり、
特にKAM1は、臨床の評価指標として重視されています。KAMの増加は、膝関節の内側へのストレス増大を意味し、
KAMを下げることは、膝関節への負担軽減につながると考えられます。

今回紹介するレビューは、裸足・平地歩行で3次元歩行解析を行いKAMについて報告した42研究を整理し、
KAMに影響する要因を調査しました。

その結果、歩行スピードを上げるとKAM1が上昇しやすく、歩幅だけを広げる、あるいは歩幅とリズムを同時に変えることでも、KAM増加が報告されました。

KAMを下げる工夫として、体幹を患側へ傾ける、つま先を内側に向けるtoe-in歩行、draw-in歩行などが有効だということです。離床を行う時には、このKAMを意識することで、負荷が少ない歩行指導を行っていきたいものですね。

■ 文献情報:
Byrnes, S. K., Holder, J., Stief, F., Wearing, S., Böhm, H., Dussa, C. U., & Horstmann, T. (2022). Frontal plane knee moment in clinical gait analysis: A systematic review on the effect of kinematic gait changes. Gait & Posture, 98, 39–48.
https://doi.org/10.1016/j.gaitpost.2022.07.258

【海津先生の新講座開催が決定!】
3月1日(日)10:00〜16:10 ※2週間見逃し受講期間有り
ベテランがぶつかった“壁”から見える 整形外科リハビリのベストアプローチ 膝関節編
講師:海津 陽一 先生
https://www.rishou.org/seminar/theory/r334-2026#/