
脳卒中後の片麻痺による肩痛は、離床やADLの回復進行を止めてしまう厄介な合併症ですが、「いつから」「何が引き金で」痛みが強くなるのかは、意外と整理されていません。そんな片麻痺による肩痛を、発症後早期から追跡した興味深い報告が届きました。
この研究では、片麻痺を伴う脳卒中患者28名を対象に、発症後72時間以内・1か月・3か月で、肩の痛み・可動域・筋力・痙縮などの臨床評価に加えて、超音波エコーで肩関節周囲の病変を評価しました。その結果、肩痛は時間とともに増え、72時間以内で11%、1か月で32%、3か月で57%に上昇しました。そして本研究で特に注目したいのは、エコー所見です。
3か月時点では、肩痛のある患者さんほど、超音波で癒着性関節包炎と肩関節亜脱臼がより多くみられました。つまり、痛みの背景として「腱や滑液包の問題」だけでなく、関節包病変とアライメントの崩れが前面に出てくる可能性が示された、ということです。肩痛を“症状”だけで追うのではなく、エコー所見を組み合わせて、早い段階から予防・介入の優先順位を立てる必要性を感じます。
原典では、時間経過による痛みの増え方と、3か月時点での癒着性関節包炎・亜脱臼が痛み進行と結びつく点がまとまっており、参考になります。是非、ご覧ください。
Cotellessa F, et al. Clinical and Ultrasound Evaluation of Hemiplegic Shoulder Pain in Stroke Patients: A Longitudinal Observational Study Starting in the First Hours After Stroke. Medicina. 2025;61(3):484.
https://www.mdpi.com/1648-9144/61/3/484
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