日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【端坐位は13日以内に?】Dr中西の離床面白エビデンス

人気コーナー「Dr中西の離床面白エビデンス」の最新情報をお届けします!
このコーナーでは、当会の医師部会の中西医師が“これは面白い”という、離床にまつわるエビデンスを紹介。
中西節でわかりやすく、楽しく、ユーモアを交えて教えてくれます。

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みなさんこんにちは。筋萎縮ゼロプロジェクトの中西です。

今回は「端坐位は13日以内に?」という内容を紹介します。皆さんの施設では、急性期から端坐位を実施していますでしょうか。端坐位は「アクティブな離床の第一歩」なので、とても大事ですよね。

早期離床は48時間以内や、72時間以内にといわれますが、人工呼吸管理を受ける重症な患者さんだと、そんなに早くはできないことが多いのも現状だと思います。特に最近はTEAMSトライアル以来、安全な離床の重要性が高まっていますし、ガイドラインで離床開始基準もしっかりと決まってきました。重症で、1-2週間離床できなければ手遅れでしょうか??そんな疑問に答える論文が日本のYoshinaga先生から報告されました。

48時間以上人工呼吸管理を受けた121人の重症な患者さんが対象となりました。中央値で7日間人工呼吸管理を受けていたようで、そのような長期人工呼吸管理を要するような患者さんで、歩行能力改善のための独立した因子が明らかとなりました。

  1. 若年→確かに若い方がよさそう
  2. 人工呼吸管理期間が短い→確かに短い方がよさそう
  3. 13日以内の端坐位→13日以内!?

って感じですね。多くの論文が2、3日以内と報告しているなかで、13日以内の端坐位が、歩行能力改善に関係しているというのを発見したのは、非常に重要な報告だと思います。長期人工呼吸管理となるような患者さんで離床に難渋しても、諦めずに13日以内には端坐位を目指すという、長期的な目標を持つことも重要かもしれません。

なかなか離床できずに難渋する患者さんでも、諦めずに「端坐位は13日以内に」を目標に頑張っていきたいですね。じゃあ、忙しいし12日目にしたらいいかってわけではないですからね(汗)

Impact of Early Rehabilitation Initiation on Walking Recovery in Critically Ill Patients
https://www.cureus.com/articles/369581-impact-of-early-rehabilitation-initiation-on-walking-recovery-in-critically-ill-patients#!/