
人気コーナー「Dr中西の離床面白エビデンス」の最新情報をお届けします!
このコーナーでは、当会の医師部会の中西医師が“これは面白い”という、離床にまつわるエビデンスを紹介。
中西節でわかりやすく、楽しく、ユーモアを交えて教えてくれます。
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みなさんこんにちは。筋萎縮ゼロプロジェクトの中西です。
今回は「アメリカでは早期離床・リハ終了!?」という内容を紹介します。アメリカでは早期離床・リハの時代は終わったようです。ガーン..これから僕たちはどうしたらいいのかって感じですね(笑)。
実は、本当にそのような感じの論文がでました。詳しくみていきましょう。アメリカのJoelさんは、人工呼吸管理をされている患者さんの理学療法、作業療法が2008年から2021年までどのように実施されているか、医療データを後方視的に調べました。
122万のデータを解析し、2008年から2019年までは早期理学療法と作業療法の頻度は、8.5%から10.8%まで増加したようですが、2020年には9.5%、2021年には8.9%と減少傾向にあるようです。2021年の実施率は2008年よりは高いものの、多変量解析でもやはり減少傾向にあるようです。やっぱり早期離床・リハの実施が減っているんです!!!その原因はなんだと思いますか?
早期すぎるリハビリの有害性が、TEAMSトライアルでいわれたから?ガイドラインで、離床開始因子などしっかり決まってきたから?
実は..単純なのですが..新型コロナ感染症が流行したからみたいです..なんか、すみません(汗)
答えはシンプルなようでした。2020年といえば新型コロナ感染症が流行した時ですね。つまり、新型コロナ感染症の影響で早期離床・リハビリテーションが減っていたようです。
しかし、これは重要な教訓ですね。感染症が流行したからといって、今後は早期離床・リハの実施が滞らないようにしていくべきですね。さらに、病院によって早期離床・リハの実施率が全然違ったようなので、もしかしたら、コロナで大変な中でも変わらずに、早期離床・リハを頑張っていた病院もいっぱいあるのかもしれないですね。2021年以降も調べてくれよ!って感じですね(笑)
とりあえずは、アメリカで早期離床・リハがすたれつつあるわけではないようでよかったです。本当よかった..と胸を撫でおろしているのは自分だけではないかもしれません。引き続き、早期離床・リハビリテーションを頑張っていきましょう!
Trends of Physical and Occupational Therapy Utilization in ICU Patients Undergoing Mechanical Ventilation in the United States: 2008-2021
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40699013/



