日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【実は諸刃の剣!?】SGLT2阻害薬の意外な影響

近年よく使用されている、スーグラⓇ、フォシーガⓇなどのSGLT2阻害薬は、糖尿病患者の血糖コントロールや慢性心不全患者の予後改善など、良い効果がいわれていますが、デメリットはないのでしょうか。そんなSGLT2阻害薬に関するチェックすべき報告がありました。

この研究では、SGLT2阻害薬に関する25の研究、2,286例の糖尿病患者さんについて、薬剤の影響を調査しました。その結果、スーグラⓇ、フォシーガⓇなどのSGLT2阻害薬は、糖尿病患者さんの血糖降下作用だけではなく、筋肉量の減少効果を認め、元々サルコペニアのリスクのある患者さんへの使用は、注意が必要ということです。SGLT2阻害薬は革新的な薬剤といわれていますが、薬のリスクも把握し、離床やケアを行うことが重要だと感じる研究です。

下記原典では、SGLT2阻害薬が筋タンパクを減少に作用する機序を詳しくみることができ、参考になります。是非、ご覧ください。

Sha Zhang et al. Effect of sodium-glucose transporter 2 inhibitors on sarcopenia in patients with type 2 diabetes mellitus. Front Endocrinol (Lausanne)
. 2023
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10351980/

この情報が皆さんの診療に役立つことを願っております。

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