
人気コーナー「Dr中西の離床面白エビデンス」の最新情報をお届けします!
このコーナーでは、当会の医師部会の中西医師が“これは面白い”という、離床にまつわるエビデンスを紹介。
中西節でわかりやすく、楽しく、ユーモアを交えて教えてくれます。
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みなさんこんにちは。筋萎縮ゼロプロジェクトの中西です。
今回は「敗血症ガイドライン4つのポイント」という内容を紹介します。ついに日本版敗血症ガイドラインの英語版がでましたね。日本版の英語版?とわけわかめかもしれませんが、敗血症ガイドラインはもともとは国際的に海外で作られていました。それを、日本でも作ろうとしてできたのが、日本版敗血症ガイドラインです。
この日本版敗血症ガイドラインには日本語と英語のものがありますが、今回新しく紹介された、英語版のチェックポイントをシェアします。この日本版敗血症ガイドラインで、離床・リハビリテーションに関わる項目は4項目のみです。
(1)Post Intensive Care Syndrome(PICS)予防に早期リハビリテーションを行うか
(2)ICU-AW 予防に神経筋電気刺激療法を行うか
(3)ICU 退室後に身体機能,精神機能,認知機能改善のためのフォローアップを行うか
(4)退院後に身体機能,精神機能,認知機能改善のためのリハビリテーションを行うか.
推奨としては以下になります
(1) PICS の予防に早期リハビリテーションを行うことを弱く推奨する
こちらは限られた研究のなかで早期リハビリテーションによるADL改善効果は認めました。
(2) ICU-AW 予防に神経筋電気刺激療法を行うことを弱く推奨する
こちらはICU-AW、筋萎縮、筋力低下などに有意差を認めました。
(3) ICU 退室後に身体機能,精神機能,認知機能改善のためのフォローアップを行うことを弱く推奨する
こちらは長期的な身体機能低下のみ有意に改善しました。
(4) 退院後に身体機能,精神機能,認知機能改善のためのリハビリテーションを行うことを弱く推奨する
こちらは退院後の MMSE で評価した認知機能のみ有意に改善しました
全ての 課題 において PICS をアウトカムとした研究は少なく,エビデンスレベルは低いものの,全て弱く推奨するという結論に至っています。PICS予防に早期リハをして、神経筋電気刺激療法もして、ICU退室後のフォローアップもして、リハビリもする、となるととても忙しいですね。自分達が敗血症で倒れないように頑張りましょうね。あー、忙しい忙しい🧺
The Japanese Clinical Practice Guidelines for Management of Sepsis and Septic Shock 2024
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/ams2.70037



