
心不全患者さんの下肢の浮腫みに対して、下肢圧迫をすると心負荷を高めるリスクがあることは有名ですが、本当に全ての心不全患者さんにとってリスクなのでしょうか。そんな、心不全患者さんの浮腫みに対するアプローチについて、興味深い報告が届きました。
この研究では、心不全患者さんに対する弾性包帯や観血的空気圧迫法など、浮腫みに対するアプローチに関する過去の報告をまとめ、その効果と安全性を調査しています。その結果から筆者らは、軽症の心不全(NYHA分類Ⅰ・Ⅱ)については、弾性包帯や観血的空気圧迫法などを検討できるとしています。一方で、重症の心不全(NYHA分類Ⅲ・Ⅳ)では、現時点では安全性が十分とはいえないということです。
心不全だから・・と諦めずに、重症度や症状に着目して、ケアやアプローチを検討するべきと感じる研究です。下記原典では、アプローチ別の効果や安全性に関するエビデンスが紹介されていて、とても参考になります。是非、ご覧ください。
Tomasz Urbanek et al. Compression therapy for leg oedema in patients with heart failure. ESC Heart Fail. 2020 Oct;7(5):2012-2020.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7524111/
この情報が皆さんの診療に役立つことを願っております。
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