
人気コーナー「Dr中西の離床面白エビデンス」の最新情報をお届けします!
このコーナーでは、当会の医師部会の中西医師が“これは面白い”という、離床にまつわるエビデンスを紹介。
中西節でわかりやすく、楽しく、ユーモアを交えて教えてくれます。
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みなさんこんにちは。筋萎縮ゼロプロジェクトの中西です。
今回は「アグリンはサルコペニアのバイオマーカー?」という内容を紹介します。皆さんアグリンをご存知でしょうか。なんか人のニックネームみたいですが、もちろん、アグネスチャンのニックネームではありません。若い方は知らないかな…
という冗談は置いておいて、アグリンは神経筋接合部に局在するヘパラン硫酸プロテオグリカンで、神経筋シナプス形成に重要な役割を果たしているようです。つまり、アグリンが崩壊すると神経の伝達ができなくなりそうですね。この血液中のアグリンの測定が、サルコペニア評価に有効かメタアナリシスが実施されました。10件の研究を分析した結果、アグリンの上昇が、サルコペニアと関連していたようです。さらに全身の筋肉量の指標である骨格筋インデックスが小さい患者さんや、握力が弱い患者さんでこのアグリンが増加していたようです。
今後、血液データにおけるアグリンが、サルコペニアや栄養の重要な指標になる日がくるかもしれません。こうなってくると急性期でもこのアグリンがどうなっているのか、ICU-AWの評価に有効なのか気になってきますね。
アグネスチャンスタディってことで研究したいですね。アグネスチャンは関係ないですか(笑)
C-Terminal Agrin Fragment as a Biomarker for Sarcopenia: A Systematic Review and Meta-Analysis
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11780277/