日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【血液データで予測!】ICU-AWに関する最新エビデンス

人工呼吸器や敗血症など、重症な患者さんに起こる神経筋障害であるICU-AWは、ICU-AWの発生を予測することが難しく、対策が遅れることが問題となります。今回紹介する研究では、血液データでICU-AW予測するというユニークな報告です。

Jiangらは、敗血症患者さんの血液データのうち、タンパク異化を反映する尿素と、筋肉の分解を反映するクレアチニンのデータをバランスでみる、尿素クレアチニン比の変化から、ICU-AW発生が予測できるかを調査しています。尿素クレアチニン比は、尿素(U)をクレアチニン(Cre)で割った値で、基準値は10前後です。結果は、入院1日目と3日目の尿素クレアチニン比の増加が、19.4 µmoL urea/µmoLを超えると、ICU-AW発生と有意に関連していたということです。ICU-AW発生を予測する方法は、CTや超音波など画像検査が有用ですが、血液データの変化に着目することで、より早期から対策を行うことができると感じる研究です。

下記原典では、UCRによるICU-AW発生予測の感度・特異度をみることができ、参考になります。是非、ご覧ください。

Jie Jiang et al. Early urea-to-creatinine ratio to predict rapid muscle loss in critically ill patients with sepsis. MC Anesthesiol. 2025 Jan 11;25(1):26.
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11724614/

この情報が皆さんの診療に役立つことを願っております。

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