日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【インドネシアのPICS評価】Dr中西の離床面白エビデンス

人気コーナー「Dr中西の離床面白エビデンス」の最新情報をお届けします!
このコーナーでは、当会の医師部会の中西医師が“これは面白い”という、離床にまつわるエビデンスを紹介。
中西節でわかりやすく、楽しく、ユーモアを交えて教えてくれます。

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みなさんこんにちは。筋萎縮ゼロプロジェクトの中西です。

今回は「インドネシアのPICS評価」という内容を紹介します。私は昨年、インドネシアで開催された、アジアリハビリテーションの学会に参加してきました。ビーチもきれいで、コテージもきれいで、海鮮もおいしくて最高でした。すみません、その学会はインドネシアといってもバリであったもので… 遊んどるやないかい(汗)

インドネシアはアジアで人口3位、経済もすごい勢いで発展してきてアゲアゲな国です。そんなインドネシアで、PICSのリハビリ評価はどうするのか、という研究が報告されていたのには驚きました。インドネシアでも既にPICSに注目しているんですね。

内容をみてみましょう。なにやら、学会のワークショップなどをとおしてPICS評価のための指標を検討したようです。正式なデルファイ会議まではしていないようですが、どのような評価項目が重要なのでしょうか。

身体機能:TUG(Time up and go)、握力、SPPB、6分間歩行
認知機能:MoCA
精神機能:HADS
QOL:EQ-5D-5L
がPICSの評価項目として挙げられました。

身体機能の評価で、TUGやSPPBが含まれているのが興味深いですね。私もPICS評価の似たような研究をしましたが、このTUGとSPPBは推奨までには至りませんでした。しかし、意義のある検査だと思います。

TUGは椅子から立ち上がり、3m歩行して折り返し、再び椅子に座るまでの時間を測定する検査です。方向転換・立ち上がり動作を含むため下肢筋力や動的バランス能力を含む、より生活に即した移動能力としての歩行機能を測ることができます。SPPBはバランスや歩行、下肢筋力を評価します。異なる立位姿勢保持の可否およびその保持時間、通常速度での4m歩行時間、椅子からの5回立ち上がり動作時間をそれぞれ各0~4点、合計12点満点で採点します。

TUGやSPPBは、日本でも評価している施設があるのではないでしょうか。勢いのあるインドネシアから今後いろんな論文が報告されてきそうですね。難しい話はお置いておいて、自分はもう一度バリでマッサージ受けたいです(笑)

Rehabilitation Assessment of Post Intensive Care Syndrome
https://www.researchgate.net/publication/387514355_Rehabilitation_Assessment_of_Post_Intensive_Care_Syndrome