
呼吸不全患者さんに対する腹臥位療法は、予後の改善に有効である他、酸素化を改善するというエビデンスがありますが、それは本当なのでしょうか。
トルコのDemirhらは、腹臥位療法による酸素化などの呼吸パラメーターへの影響を追証しました。その結果、腹臥位療法を行うことで、呼吸パラメーターでは、SpO2・一回換気量が高くなり、動脈血ガスデータでは、PaO2が高く、PaCO2が有意に低くなるという、以前の研究結果を裏付ける内容でした。重症例に対する腹臥位療法は、生命予後を改善するというエビデンスもありますが、これらの即時効果を味方につけ、命の危ない患者の治療の時間を稼ぐ一つの手段としても、有用だと感じる研究です。
下記原点では、腹臥位による詳細な呼吸パラメーターへの影響や、人工呼吸器の設定をみることができ、参考になります。是非、ご覧ください。
Burcu Dedeoğlu Demir et al. The effect of prone positioning on ventilator parameters, blood gas levels, and ventilator-associated pneumonia in intensive care unit patients. BMC Nurs
. 2025 Feb 21;24(1):203.
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11846282/
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