
人気コーナー「Dr中西の離床面白エビデンス」の最新情報をお届けします!
このコーナーでは、当会の医師部会の中西医師が“これは面白い”という、離床にまつわるエビデンスを紹介。
中西節でわかりやすく、楽しく、ユーモアを交えて教えてくれます。
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みなさんこんにちは。筋萎縮ゼロプロジェクトの中西です。
今回は「脊髄損傷にも早期リハが有効!?」という内容を紹介します。脊髄損傷のリハビリってどのようにしていますか?急にリハビリを行うと血圧が急激に下がったり、神経原性ショックになったりリスクもあるかもしれません。
カナダのDionneさん達は、2021年から2023年までに、45人の脊髄損傷の患者さんに早期リハビリを実施するトライアルを開始したようです。介入は術後2日以内に、1日30分間の受動的ベッド上サイクリングを14日間実施しました。プロトコール遵守率は87%とほとんど全ての患者さんでこのリハプログラム実施できました。実施できなかった理由は、ICUでの検査や処置などによるもので、一部コントロール困難な痛みも原因になったようです。介入による有害事象はなく、神経学的に悪化したということもないようです。
脊髄損傷というと「安定してからリハビリ」となりがちですが、早期リハビリが安全であることが示された重要な研究だと思います。この論文の最後に、リハスタッフとICU医師、看護師の協力が重要だとまとめられています。多職種で連携したら、どんなハードルも乗り越えることができる!諦めないリハビリテーションを目指していきましょう!!
Safety and Feasibility of Early Activity-Based Therapy Following Severe Traumatic Spinal Cord Injury: Results from a Single-Arm Pilot Trial
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39611653/