最近の離床の話題は、離床の“タイミング”に加えて、離床の“量”も注目されています。そんな離床時間の長さが機能回復や予後にどのような影響を与えるのかを調査した、興味深い研究結果が報告されました。
この研究では、急性期の患者さん684名を対象に、1日平均40分以上の離床が機能回復にどのように影響するか、バーセルインデックス(Barthel Index)の「移動」と「移乗」との項目を用いて調査しています。
その結果、1日40分以上の離床を行った患者さんは、退院時の機能が大きく改善していました。さらに詳しく調べると、退院時に、ほぼ自力で歩けるようになった患者さんでは、40分以上離床しても大きな改善は見られなかったのに対して、退院時に、自立歩行は困難で離床はできる患者さんでは、40分以上の離床が機能回復に役立っていました。40分という離床時間は、日本でも応用しやすいという点と、患者さんの機能レベルに応じて、離床時間を調整する必要性を感じる研究です。
下記の原典では、離床時間と機能回復の関連性を示す詳しいデータを見ることができ、参考になります。是非、ご覧ください。
Marco Lorenz et al.The optimal dose of mobilisation therapy in the ICU: a prospective cohort study.J Intensive Care. 2023; 11: 56.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10658796/
この情報が皆さんの診療に役立つことを願っております。
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