人気コーナー「Dr中西の離床面白エビデンス」の最新情報をお届けします!
このコーナーでは、当会の医師部会の中西医師が“これは面白い”という、離床にまつわるエビデンスを紹介。
中西節でわかりやすく、楽しく、ユーモアを交えて教えてくれます。
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みなさんこんにちは。筋萎縮ゼロプロジェクトの中西です。
今回は「塩分は足りてますか?」という内容を紹介します。皆さん、塩分は十分とれていますか?「塩ラーメンより味噌ラーメンの方が好きなのでとれてません」という、ラーメン好きのあなたは十分摂れていると思います。
人間が一日に必要な塩分はだいたい6-7g程度です。カップラーメンにはだいたい5gくらいの塩分が含まれています。ですので、塩ラーメンじゃなくても十分塩分はとれてそうですね。日本では塩分の取り過ぎで、高血圧などの生活習慣病の方が多いですよね。しかし、今回はその塩分が少ない、低ナトリウム血症についての論文の紹介です。塩分が多いのも問題ですが、少なすぎるのもまた問題なんです。
熊本の吉村先生は、脳卒中の高齢者で低ナトリウム血症がどのような影響を与えるか調べました。対象となったのは入院した脳卒中の955人の患者さんです。すごい数ですね。平均年齢は73.2歳、男性が53.6%、血液中のナトリウム濃度の中央値は139mEq/Lでした。対象となった患者さんのうち、低ナトリウム血症であったのは8.8%であったようです。背景など交絡因子を調整しても、この低ナトリウム血症は入院時の認知機能低下(FIMで評価)や退院時の認知機能悪化と関係していたようです。入院時の低ナトリウム血症が入院時の認知機能低下のみでなく、入院中にリハビリテーションをして社会復帰をしていく中でもさらなる認知機能悪化と関係していたようですね。
入院時に低ナトリウム血症の患者さんを見たときは、どのようにリハ栄養で介入していくか多職種で議論が必要かもしれませんね。つまり、ナトリウムは低すぎるのも高すぎるのもよくないんです。
おそらく元気でお若い皆さんは高くて困ることの方が多いかもしれませんが…いつか歳をとったら毎日ペヤングを食べたいんですね(泣)
Hyponatremia as a predictor of cognitive deterioration in hospitalized post-stroke patients
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0967586824001723?dgcid=coauthor