日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【寝る子は育つ!?】Dr中西の離床面白エビデンス

人気コーナー「Dr中西の離床面白エビデンス」の最新情報をお届けします!
このコーナーでは、当会の医師部会の中西医師が“これは面白い”という、離床にまつわるエビデンスを紹介。
中西節でわかりやすく、楽しく、ユーモアを交えて教えてくれます。

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みなさんこんにちは。筋萎縮ゼロプロジェクトの中西です。

今回は「寝る子は育つ!?」という内容を紹介します。最近、大谷選手のホームランを見ることだけが楽しみの中西です。大谷翔平選手って毎日10時間寝ているようです。睡眠こそが天才を支える秘訣なのでしょうか?

今回はそんな睡眠とサルコペニアに関する研究が報告されました。中国のHeさんは、2011年から2015年の中国の健康調査データを解析して、中年以上の対象者の、夜間睡眠時間や昼寝とサルコペニアの関係を調べました。対象となったのは7926人です。サルコペニアはAsiaのサルコペニアの定義が使用され、睡眠に関しては質問紙が用いられたようです。夜間の睡眠に関しては6時間未満、6-8時間、8時間以上の3群に分けられ、昼寝については有り無しで判断されたようです。

4年間の追跡調査の結果、サルコペニアと判断されたのは5.3%でした。そして睡眠時間が6時間未満のグループで、サルコペニアの発生と関係していたようです(OR: 1.50, 95% CI: 1.21-1.87)。また昼寝をする人の方が、サルコペニアになりにくいようです(OR: 0.78, 95% CI: 0.63-0.95)。ちなみに睡眠時間が6時間未満のグループでも、昼寝をすると睡眠時間が6-8時間のグループとサルコペニアの発症に有意な差はないようでした。

なるほど~ 睡眠時間をしっかりとることはサルコペニア予防になるんですね。寝る子はよく育つ、大谷翔平はよく寝るというのも理にかなっているかもしれないですね。日本の皆さん、頑張りすぎすに、明日から昼寝もしましょう~ ちなみに、僕は8時間以上寝てさらに昼寝もしたいです(笑)

Association between nocturnal sleep duration and midday napping and the incidence of sarcopenia in middle-aged and older adults: a 4-year longitudinal study
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38763743/