人気コーナー「Dr中西の離床面白エビデンス」の最新情報をお届けします!
このコーナーでは、当会の医師部会の中西医師が“これは面白い”という、離床にまつわるエビデンスを紹介。
中西節でわかりやすく、楽しく、ユーモアを交えて教えてくれます。
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みなさんこんにちは。筋萎縮ゼロプロジェクトの中西です。
今回は「NPPV成功の鍵は肋間筋にあり!?」という内容を紹介します。
NPPVってご存知でしょうか。呼吸が苦しくなった時に装着する、マスク型の呼吸管理の装置です。NPPVで粘るべきなのか、挿管して人工呼吸管理するべきなのか、臨床では悩むことも多くあります。実は、NPPVで呼吸管理が困難であることを評価する鍵が、肋間筋にあるようです。
トルコのKayaさんは(日本の名前みたいですね)、超音波で評価した肋間筋の収縮こそが、NPPV管理困難の指標になると考えて研究を行いました。対象となったのは158人の患者で、30人がNPPVでの管理が困難であったようです。そして、なんとなんと、NPPVで管理困難であった患者群で、肋間筋の収縮率が増加していることを発見しました。肋間筋の収縮率が12%以上あるとNPPV管理が困難になる指標になるようです。
肋間筋がしっかりと収縮しているということは、横隔膜機能不全などで肋間筋が頑張って収縮しているということになります。なので、肋間筋が収縮しすぎているというのは、呼吸がかなりしんどい状態を意味しているので、そういう時はNPPVではダメみたいですね。NPPVでの治療継続を迷うときは、肋間筋に超音波をあててみるのもよいかもしれません。他にもいろんな指標につかえそうですね。離床開始や、離床の強度アップ、抜管の有無など、肋間筋の収縮の意義をいろんな研究で評価してもらいたいですね。
それでは今日から肋間筋を測定しましょう。でも、どうやって測定するの?そこですよね…いつか御教えします(泣)
Intercostal Muscle Function During Noninvasive Ventilation and Acute Hypercapnic Respiratory Failure
https://rc.rcjournal.com/content/early/2024/04/16/respcare.11676