日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【敗血症との戦いは日頃から!?】Dr中西の離床面白エビデンス

人気コーナー「Dr中西の離床面白エビデンス」の最新情報をお届けします!
このコーナーでは、当会の医師部会の中西医師が“これは面白い”という、離床にまつわるエビデンスを紹介。
中西節でわかりやすく、楽しく、ユーモアを交えて教えてくれます。

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みなさんこんにちは。筋萎縮ゼロプロジェクトの中西です。

今回は「敗血症との戦いは日頃から!?」という内容を紹介します。敗血症というのは血が負ける病気と書きます。つまり、なんらかの原因で菌が血液中に入り込んで身体に悪さをしているような病態です。この敗血症ですが2017年のデータでは全世界で、 4,890 万人の患者と 1,100万 人の敗血症関連死が発生し、全世界の死亡者数のほぼ 20 % を占めたと報告されています。誰もが敗血症になる可能性があります。

敗血症と戦って勝つためにはどうしたらよいか、もちろん医療が必須なのはいうまでもないですが、私たちの敗血症との戦いは日頃の生活から始まっているんです。スウェーデンのStattinさん達は、1997年にスウェーデンで行われた市民への生活の実態調査のアンケート用紙と、ICUのデータベースなどをあわせて解析を行いました。約6万人の方が対象となりました。

週に1回以上定期的に運動している方とそうでない方を比較すると、週に1回以上運動している人の方が、敗血症で死亡するリスクが低値でした(ハザード比 0.87 [95% CI 0.80–0.96)])。さらにもっと運動している人は、死亡率がさらに低いという結果でした。この運動というのは、ウォーキングなども含まれるそうです。つまり、日頃からウォーキングを含む運動をしていればしているほど、敗血症になった時に助かる可能性が高いという結果でした。

やはり、敗血症になる前から戦いは始まっているんですね。毎日歩くしかないですね。目指せ1日1万歩です!

Physical activity is associated with a lower risk of contracting and dying in infection and sepsis: a Swedish population-based cohort study
https://ccforum.biomedcentral.com/articles/10.1186/s13054-024-04881-8