日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【筋肉と骨は運命共同体!?】Dr中西の離床面白エビデンス

人気コーナー「Dr中西の離床面白エビデンス」の最新情報をお届けします!
このコーナーでは、当会の医師部会の中西医師が“これは面白い”という、離床にまつわるエビデンスを紹介。
中西節でわかりやすく、楽しく、ユーモアを交えて教えてくれます。

*********************************

みなさんこんにちは。筋萎縮ゼロプロジェクトの中西です。

今回は「筋肉と骨は運命共同体!?」という内容を紹介します。皆さん、筋肉と骨ってどのような関係にあると思いますか?筋肉と骨は全く別の組織だから関係ない!?それとも筋肉と骨は大の仲良しで秘密の関係!?

今回は、筋肉と骨が加齢とともにどのように変化していくか調べた研究で、慶応大学のOsawa先生の報告です。アメリカのBLSAというデータベース(1129人)と、日本のNILS-LSAというデータベースを用いて解析をしたようです。これらのデータベースでは、約4、5年のフォローアップをした経時的なデータで、この中でDXAによる骨密度と除脂肪量を測定した、患者さんのデータが対象となりました。

このデータベースでは、経時的に筋肉(除脂肪量)も骨も減少して、アメリカ、日本の両方のデータベースで除脂肪量と全身の骨密度は相関したようです。アメリカと日本のデータベースでは、除脂肪量と局所的な部位での骨密度がどれくらい相関するか異なったようです。同様に男女の違いでも、局所的な部位での骨密度との相関など違いがあったようです。

人種や性別による違いはあったものの、基本的には除脂肪量と全身の骨密度は密接に関係しているようです。まさに筋肉と骨は秘密の関係でしたね!

つまり、筋肉が弱っている人は骨も弱っている、筋肉が強い人は骨も強いということですね。筋肉と骨は運命共同体のため、筋肉をみて骨をみずというようにならないように、自分も骨のことをコツコツと勉強しなおします(大汗)

Longitudinal association between muscle and bone loss: Results of US and Japanese cohort studies
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/jcsm.13438