日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【骨が脆いだけ?】骨粗鬆症で生じる運動制御の問題

骨粗鬆症のある人は、転倒した時の易骨折の問題は思いつきますが、他には影響がないのでしょうか。そんな骨粗鬆症の人の感覚とバランスを調査した、興味深い報告が届きました。

この研究では、骨粗鬆症のある人の、下肢の関節位置覚とバランス能力を、調査しています。その結果、骨粗鬆症のあると、下肢の関節位置覚の誤差が大きく、バランス能力も低いことがわかったということです。骨粗鬆症のある人は、筋の不活動状態を相関していると考えられ、固有受容器の減少から、動作のフィードバックが遅れることで、運動制御に問題が生じていると考えられます。骨粗鬆症を背景にもつ患者さんでは、集中的に動作獲得やバランス練習などのアプローチを実施する必要があると感じる研究です。

下記原典では、下肢の関節位置覚とバランス評価の具体的方法を写真つきでみることができ、参考になります。是非、ご覧ください。

Irshad Ahmad et al. Exploring the Nexus of lower extremity proprioception and postural stability in older adults with osteoporosis. Front Public Health. 2023 Nov 30:11:1287223.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10720312/

この情報が皆さんの診療に役立つことを願っております。

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