75歳以上の高齢者の肺炎は、一度退院しても再入院するケースが多いことが問題となっています。そんな、高齢肺炎患者さんにおける、再入院を予測する因子について興味深い報告が届きました。
この研究は75歳以上の高齢肺炎患者さんを対象に、退院後30日以内の再入院を予測する因子を調査しています。特に、栄養状態と免疫応答を示すGeriatric Nutritional Risk Index(GNRI)と炎症の強さを示す好中球リンパ球比(NLR)に焦点を当て、これらが短期再入院の予測にどう影響するかを調査しています。
この結果、GNRIと再入院リスクとの間に有意な関連性はみられなかったものの、退院時のNLRが5点以上と高値の場合は、30日以内の再入院リスクが高くなることがわかったということです。NLRは、がんの予後予測として活用されていますが、高齢肺炎患者さんのリスク管理としてもチェックすべきと感じる研究です。
下記の原典では、高齢肺炎患者における30日以内の再入院予測因子としての、NLRやGNRIの関連について詳しいデータをみることができ、参考になります。是非、ご覧ください。
Yuuto Tonouchi et al. Predictive Factors for 30-Day Readmissions in Elderly Patients With Pneumonia: A Single-Center Retrospective Cohort Study . Cureus. 2023 Dec; 15(12): e51380.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10825812/
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