日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【日頃の運動で肺炎に勝つ!?】Dr中西の離床面白エビデンス

人気コーナー「Dr中西の離床面白エビデンス」の最新情報をお届けします!
このコーナーでは、当会の医師部会の中西医師が“これは面白い”という、離床にまつわるエビデンスを紹介。
中西節でわかりやすく、楽しく、ユーモアを交えて教えてくれます。

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みなさんこんにちは。筋萎縮ゼロプロジェクトの中西です。

今回は「日頃の運動で肺炎に勝つ!?」を紹介します。

最近寒い日がまだまだ多いですが、運動していますか?もちろんしていないと思います(笑)鍋を食べて、こたつで寝るのが最高ですね!っと、そんなところに運動の重要性を強調する研究結果が報告されました。

フランスのVeroniqueさんは、急性肺炎のマウスで運動が肺炎の炎症を低下させるか、生存率を改善させるか調べました。マウスは2つのグループに分けられました。

運動群:毎日60分のトレッドミルを8週間実施
対象群:通常のケア

その後、菌を用いて肺炎を誘発しました。運動をした群の方が肺炎の重症度が低く、死亡率が圧倒的に低く(27% vs. 83%; p = 0.019)、好中球などの免疫細胞の働きも早かったようです。つまり運動によって免疫機能が強化されていたようです。さらに、炎症性のマーカーなどの、TNF-α、IL-1β、IL-6、IL-10なども運動群で低かったようです。

やはり、日頃からの運動は肺炎になった時に体を守ってくれるようです。マウスでの研究なので人の研究と違って、対象の差はないため、運動の効果を科学的に証明した研究と考えられます。ちょっと階段を使ってみたり、徒歩で歩いてみたり、できることから運動を始めてみてはいかがでしょうか。

自分ももう少しだけ温かくなったら頑張りますね(笑)

Moderate Exercise Modulates Inflammatory Responses and Improves Survival in a Murine Model of Acute Pneumonia
https://journals.lww.com/ccmjournal/fulltext/9900/moderate_exercise_modulates_inflammatory_responses.265.aspx