日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【ロボットがリハビリをする時代の到来!?】Dr中西の離床面白エビデンス

人気コーナー「Dr中西の離床面白エビデンス」の最新情報をお届けします!
このコーナーでは、当会の医師部会の中西医師が“これは面白い”という、離床にまつわるエビデンスを紹介。
中西節でわかりやすく、楽しく、ユーモアを交えて教えてくれます。

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みなさんこんにちは。筋萎縮ゼロプロジェクトの中西です。

今回は「ロボットがリハビリをする時代の到来!?」を紹介します。小さい時に、ドラえもんをみて未来の世界では車が空を飛んでいて、ロボットが家事も掃除も全部してくれる、そんな未来の世界をイメージしていました。もしかして、リハビリも同様にロボットがする時代がくるのでしょうか。

実は、ロボットを使用したリハビリは既に行われているようです。ドイツのMarcoさん達は、COVID-19の患者さんを対象にロボットを用いた離床の、無作為化比較試験を実施しました。ROBEMII studyというようです。24時間以上の人工呼吸管理が必要なCOVID-19の患者さんが対象となりました。1日20分で5日間のロボットを用いた離床を行いました。

主要評価項目である、IMS(CU Mobility Scale)や、SOMS(Surgical ICU Optimal Mobilization Score)という身体機能のスコアには、有意差がありませんでした。副次評価項目としてはロボットを用いた方が有意に離床されていることが多い、離床時間も長いという結果でした。安全性はロボットを使用した群で高血圧、不穏を2人に認めたようですが、命にかかわるような有害事象はなかったようです。

つまり、ロボットを用いた離床は安全に用いることができるが、その効果は今後の検証が必要なことです。やはりロボットを用いた群の方が、スタッフのマンパワーは要したようです。

使用したロボットはVEMOTIONというもので、ベッド上にエルゴメータや、様々なリハビリ機器がセットされているものになります。
https://www.youtube.com/watch?v=aCklon89Swo

結局ロボットっていってもセッティングして操作して、ボタン一つで全て離床をしてくれるという分けではないです。機械に近いですね…ロボットが全部してくれる、まだまだそんな未来は遠いようです。私もめげずに家の掃除してきます。とほほ…

Robotic-Assisted In-Bed Mobilization in Ventilated ICU Patients With COVID-19: An Interventional, Randomized, Controlled Pilot Study (ROBEM II Study)
https://journals.lww.com/ccmjournal/abstract/9900/robotic_assisted_in_bed_mobilization_in_ventilated.272.aspx