人気コーナー「Dr中西の離床面白エビデンス」の最新情報をお届けします！
このコーナーでは、当会の医師部会の中西医師が“これは面白い”という、離床にまつわるエビデンスを紹介。
中西節でわかりやすく、楽しく、ユーモアを交えて教えてくれます。
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みなさんこんにちは。筋萎縮ゼロプロジェクトの中西です。
今回は「筋トレとHMBをICUで！？」を紹介します。HMBってご存知でしょうか。もちろんハンバーガーじゃありません。
筋トレをしている方などは、馴染みがあると思います。筋肉を構成するタンパク質の合成を促進する効果がある物質です。筋トレ好きの方は、筋トレとともにHMBを摂取している人も多いと思います。果たして同じことを、ICUの患者さんにしたらどうでしょうか。筋萎縮予防になるのでしょうか？
中国のWuさん達は、ICUに入室する患者さん112人を対象に、HMBと筋トレの効果を無作為化比較試験で調べました。患者さんは4群に振り分けられました。
（1）筋トレ（レジスタンストレーニング）
（2）HMB（1日3g）
（3）筋トレとHMB
（4）対象群
介入はICU入室から退院まで継続されました。残念ながら（2）のHMBだけを摂取したのグループでは、効果を認めなかったようです。しかし、（1）筋トレ、（3）筋トレとHMBのグループでは、主要評価項目の6分間歩行とSPPB（Short Physical Performance Battery）が改善したようです。
さらに、MRCスコアを用いた筋力・握力も、（1）筋トレ、（3）筋トレとHMBのグループでは改善したようです。死亡率、ICU-AWの頻度、筋肉量、QOLなどは、全て有意差まではなかったようです。
今回の無作為化比較試験は、主要評価項目の6分間歩行、SPPBで設計されていますので、その他の項目に関しては、あくまで参考に留まると思います。やはりICUでも、筋トレ（レジスタンストレーニング）はとても重要なようです。
栄養だけ投与してもダメですよー！自分はハンバーガーでも食べて明日から筋トレ頑張ります（笑）
Effects of a multilevel intervention of resistance training with or without beta-hydroxy-beta-methylbutyrate in medical ICU patients during entire hospitalisation: a four-arm multicentre randomised controlled trial
https://ccforum.biomedcentral.com/articles/10.1186/s13054-023-04698-x