
人気コーナー「Dr中西の離床面白エビデンス」の最新情報をお届けします!
このコーナーでは、当会の医師部会の中西医師が“これは面白い”という、離床にまつわるエビデンスを紹介。
中西節でわかりやすく、楽しく、ユーモアを交えて教えてくれます。
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みなさんこんにちは。筋萎縮ゼロプロジェクトの中西です。
今回は「ICUで経口摂取してますか!?」という内容を紹介します。
ICUで経口摂取してすか?当直中にチョコレートだけちょっと、というあなた、、、患者さんがですよ(笑)
僕たちが口からパクパク食べるように、患者さんももちろん口から摂りたいですよね。ICUにいると、鼻からチューブが入って経管栄養がってなりがちですけど、本当に経口摂取できないのでしょうか。ICUでの経口摂取の状況を、日本離床学会医師部門にも所属している、岡山大学の本郷先生が報告しました。
多施設で2日にわたっての現状調査です。326人の患者さんのうち、経口摂取ができる可能性がある187人の患者が解析対象となり、残りの139人の患者さんは挿管などによりそもそも経口摂取できないという状況でした。実はICUの半数くらいが、経口摂取できうる状況にあるんですね。そして、その187人の患者さんのうち、69%が経口摂取に制限がかかっていました。52%が嚥下スクリーニングを実施され、37%で嚥下機能障害があると判断されました。つまり、ほとんどのICUの患者さんは経口摂取できておらず、嚥下機能を評価された患者さんの約1/3に嚥下機能障害があることが分かりました。
一方で、嚥下リハを受けた患者さんは10~20%程度でした。抜管後の患者さんで27%、脳卒中後の患者さんで9%が嚥下リハを受けました。ICU専従の言語聴覚士がいる施設はなく、86%の施設が嚥下リハのプロトコールがありませんでした。
ICUでの嚥下機能障害が多く、経口摂取が制限される患者さんが多いにも関わらず、十分な嚥下リハのプロトコールがある施設はほどんどなく、実際の嚥下リハが実施されている患者さんは非常に限られているのが現状ですね。早期離床や早期栄養ができるようになってきた昨今、より高いレベルの急性期治療を目指して、早期経口摂取が今後重要になってきそうです。
もっと急性期病院も言語聴覚士が欲しいですね。常に経口摂取の可能性も考えつつリハビリもしていきたいですね。あくまで患者さんの話で、ICUでお菓子を食べたらダメですよ~
Prevalence and Management of Oral Intake Restrictions in Critically Ill Patients: Insights from a Multicenter Point Prevalence Study
https://link.springer.com/article/10.1007/s00455-024-10772-5
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