人気コーナー「Dr中西の離床面白エビデンス」の最新情報をお届けします!
このコーナーでは、当会の医師部会の中西医師が“これは面白い”という、離床にまつわるエビデンスを紹介。
中西節でわかりやすく、楽しく、ユーモアを交えて教えてくれます。
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みなさんこんにちは。筋萎縮ゼロプロジェクトの中西です。
今回は「筋肉で心血管疾患予防!?」を紹介します。筋肉ってさらにさらにすごいです!前回、筋肉が褥瘡発生の予防になるという紹介をしました。今回は筋肉が心血管疾患の予防にも有効というお話です。今回も、筋肉好きにはたまらない内容です!
韓国のキムさんは、米国のDXAの大規模データを用いて解析を行いました。DXAというのはDual-energy X-ray Absorptiometry(二重エネルギーX線吸収測定法)の略で、少量のX線を用いた筋肉量評価です。この研究では16839人の成人データが用いられました。平均年齢は55歳、50.4%が男性でした。そして14.6%が低筋肉量と判断されました。この大規模データではデータを8つのグループに分けたようです。
(1)代謝正常、腹囲正常、筋肉量正常
(2)代謝正常、腹囲異常、筋肉量正常
(3)代謝異常、腹囲正常、筋肉量正常
(4)代謝異常、腹囲異常、筋肉量正常
(5)代謝正常、腹囲正常、筋肉量低値
(6)代謝正常、腹囲異常、筋肉量低値
(7)代謝異常、腹囲正常、筋肉量低値
(8)代謝異常、腹囲異常、筋肉量低値
ちなみに代謝異常はNCEP-ATP IIIクライテリアという中性脂肪、コレステロールなどを含んだ基準で判断したようです。
この8つのグループのうち、(8)代謝異常、腹囲異常、筋肉量低値が、最も死亡率が高値であったようです。一方で(6)代謝正常、腹囲異常、筋肉量低値が、最も心血管系が原因による死亡率が高値でした。サブグループ解析を含む様々な解析の結果、低筋肉量がやはり全般的な死亡率、心血管疾患による死亡率と関係していたようです。
つまり、脂質異常症とかの代謝異常よりも、筋肉量の方が心血管疾患による死亡率と関係しているという結果でした。筋肉ってやっぱりすごいですね!
そういえば、厚生労働省も週に2-3回の筋トレを推奨しているようです。全国民が筋トレを実施する時代がついに到来しましたね。無理しすぎないように、日々筋トレをして備えましょう!
Association of low muscle mass and obesity with increased all-cause and cardiovascular disease mortality in US adults
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38111085/
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