日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【予定手術 vs 予定外入院】離床に関する最新エビデンス

急性期の患者さんの離床は、侵襲などの影響でリスクを伴いますが、予定手術と予定外の入院で離床のリスクは変わるのでしょうか。そんな予定手術と予定外の入院による離床の進め方や阻害因子を調査した、興味深い報告が届きました。

この研究では、予定手術の患者さんと予定外入院の患者さんを対象に、急性期における離床の阻害因子について調査しています。離床の進行状況は、活動レベルを評価する集中治療室活動度スケール(IMS)で評価されました。この研究の結果、予定外入院の患者さんは離床の開始が遅れ、離床・リハビリ時間と強度が低いことがわかったということです。

さらに、IMSレベル3(端座位)以上の離床を達成できなかった患者さんの主な理由として、予定手術の患者さんでは、医師の安静指示が障壁となり、予定外入院の患者さんでは、循環器不安定性が主な障害となっていることが報告されています。同じ急性期の患者さんでも、離床の開始や阻害因子に違いがあるというのは驚きの結果です。

下記の原典では、日々の離床回数による影響も分析されていて、参考になります。是非、ご覧ください。

【文献情報】
Hideaki Sakuramoto et al.Current Practice and Barriers to the Implementation of Mobilization in ICUs in Japan: A Multicenter Prospective Cohort Study.J Clin Med. 2023 Jun; 12(12): 3955.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10299081/

この情報が皆さんの診療に役立つことを願っております。

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