日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【組み合わせがキモ】脳卒中リハビリに関する最新エビデンス

脳卒中片麻痺患者さんの機能回復には、いくつかのリハビリ手段が有益であることが明らかになっています。そんな脳卒中片麻痺患者さんのアプローチ法と効果について興味深い報告が届きました。

この研究は、脳梗塞発症6ヶ月未満の片麻痺患者さん304例を対象に、課題指向訓練とミラーセラピーを併用したトレーニングの効果について調査しています。課題指向訓練は、麻痺肢の機能に応じた課題練習を反復して行うもので、ミラーセラピーは患側の上下肢に対し、1回30分、1日1回行われています。その結果、課題指向訓練単独よりも、課題指向訓練とミラーセラピーの併用が、運動機能やバランス能力が改善されたということです。また、Stroke Specific QOL(SS-QOL)による評価でも、生活の質(QOL)が向上したことが報告されています。課題指向訓練とミラーセラピーという、特別なデバイスを必要としないアプローチでも、機能回復やQOL改善に有用だと感じる研究です。

下記の原典では、課題指向訓練やミラーセラピーの具体的な介入方法を見ることができ、参考になります。是非、ご覧ください。

Yunhan Zhang et al.Effects of Mirror Therapy Combined With Task-Oriented Training on Limb Function Recovery in Stroke Patients With Hemiplegia.Sichuan Da Xue Xue Bao Yi Xue Ban
. 2023 Sep;54(5):1046-1051.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10579087/

この情報が皆さんの診療に役立つことを願っております。