日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【筋トレはスパルタの方が良い?】Dr中西の離床面白エビデンス

人気コーナー「Dr中西の離床面白エビデンス」の最新情報をお届けします!
このコーナーでは、当会の医師部会の中西医師が“これは面白い”という、離床にまつわるエビデンスを紹介。
中西節でわかりやすく、楽しく、ユーモアを交えて教えてくれます。

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みなさんこんにちは。筋萎縮ゼロプロジェクトの中西です。

今回は「筋トレはスパルタの方が良い?」を紹介します。皆さん筋トレってどれくらいするとよいと思いますか?そもそも筋トレしていませんという方、1日15分のチョコザップで十分という方、いやいや1日1時間のゴールドジムこそ最強という方、いろいろですよね。スパルタの筋トレの方が効果があるのでしょうか?

そんな疑問に答える研究結果が報告されました。中国のLaiさん達は、フレイルの高齢者を対象として筋トレをすればするほどよいのか、無作為化比較試験を行いました。この無作為化比較試験では、患者さんは7つのグループに分けられたようです。7つもグループあるの (;・∀・)

  1. 中等度の量、弱い強度
  2. 中等度の量、中等度の強度
  3. 中等度の量、強い強度
  4. 多い量、弱い強度
  5. 多い量、中等度の強度
  6. 多い量、強い強度
  7. 通常のケア

筋トレの期間は12週間のようで、アウトカム評価は筋力、6分間歩行、30秒椅子立ち上がりテスト、8フィートUp and Go Testです。ちなみに30秒椅子立ち上がりテストは、30 秒間に何回椅子から立ち上がることができるか評価する方法で、8フィートUp and Go Testは椅子から立ち上がって8フィート歩いて戻ってくるテストです。

対象となった患者さんは161人です。結果です。

筋トレの量は多ければ多いほど、筋力、6分間歩行、30秒椅子立ち上がりテストは向上したようですが、8フィートUp and Go Testとは関係しなかったようです。一方で、筋トレの強度が強いほど下肢筋力と6分間歩行が向上したが、30秒椅子立ち上がりテストと8フィートUp and Go Testとは関係しなかったようです。つまり、ざっくりいうと筋トレの量や程度を増やせば増やすほど、筋力増強と6分間歩行などの身体機能改善につながる可能性があるということでしょうか。

という結果ではあるのものの、まー、あまりスパルタにならずちょっとずつやってきましょう!無理のない程度に筋トレです。

Dose–response effects of resistance training on physical function in frail older Chinese adults: A randomized controlled trial
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/jcsm.13359