日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【SOMSに基づくプロトコルで進める早期離床】外科術後離床の安全基準

外科術後患者さんは、術後非常に早いタイミングでの離床が有効といわれていますが、実際にどのくらいのタイミングで離床が可能なのでしょうか。そんな外科術後患者さんの術後離床について、参考なる報告が届きました。

この研究では、開腹または腹腔鏡下結腸直腸手術を受けた患者さんに対して、Surgical ICU Optimal Mobilization Score (SOMS)に基づいた基準とプロトコルを用いて、離床を行った効果と安全性を調査しています。SOMSはレベル0が臥位、レベル1がベッド上活動、レベル2が座位、レベル3が立位、レベル4が歩行までの5段階の離床レベルからなります。このSOMSに基づいて、レベル1から離床を始めて、30分ごとにレベルを一つずつアップし、その都度安全基準の評価を行うプロトコルで進められました。

その結果、なんと術後2時間で約50%の患者さんが立位以上の離床を行い、術後4時間では、約80%の患者さんが立位・歩行まで離床が可能で、疼痛や循環変動などの有害事象は僅かであったということです。比較的侵襲の少ない消化器の手術では、術後早期から離床を行い、数日で退院できる可能性があり、患者さんにもメリットが大きいと感じる研究です。

下記原典では、SOMSと離床プロトコルの詳細な内容を見ることができ、参考になります。是非、ご覧ください。

Rose-Marie W Thörn et al. Supervised Immediate Postoperative Mobilization After Elective Colorectal Surgery. World J Surg. 2022 Jan;46(1):34-42.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8677683/

この情報が皆さんの診療に役立つことを願っております。

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