日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【離床のMQSとは?】Dr中西の離床面白エビデンス

人気コーナー「Dr中西の離床面白エビデンス」の最新情報をお届けします!
このコーナーでは、当会の医師部会の中西医師が“これは面白い”という、離床にまつわるエビデンスを紹介。
中西節でわかりやすく、楽しく、ユーモアを交えて教えてくれます。

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みなさんこんにちは。筋萎縮ゼロプロジェクトの中西です。

今回は「離床のMQSとは?」を紹介します。

MQSをご存じでしょうか。Mobilization Quantification Scoreの略で離床を離床レベルとその量で評価したものになります。物事は質と量といいますが、やはりどの世界でも質も量もあわせたものが重要ですよね。MQSはそんなスコアです。日本離床学会が日本語版をだしていますね。
https://www.rishou.org/activity-new/mqs_jp#/

しかし、この日本語版が本当に有効なのでしょうか?翻訳する過程で訳が間違っていたり、解釈が間違っていたりしないか?そのためには翻訳したものの信頼性や効果を検証する必要があります。

岐阜の渡辺先生達はこの日本語版の有効性についてその信頼性や効果を検討しました。38人の患者さんが対象となりました。MQSを異なる評価者が評価した一致率はICC 0.98ととても高い信頼性がありました。またこのMQSが、ICU退室時、退院時のADLとも関係していて、予後予測にも有効であることが明らかとなりました。

つまり、安心して日本でも使用できるということですね。頑張って研究してくれている人がいるので、臨床も安心してできます。是非、日本離床医学会のホームページからMQSを使用して、臨床に応用していって下さい。

Reliability and Effectiveness of the Japanese Version of the Mobilization Quantification Score
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37711928/