日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【吸引だけより有効】呼吸介助に関するエビデンス

呼吸介助は呼吸疾患の回復や、ADLの改善など、中・長期的アウトカムから効果を示すエビデンスはほとんどないのが現状です。そのような中、日本離床学会では、短期的アウトカムの変化に着目して、3つの適応を定めています。この適応を裏付ける、興味深い報告が届きました。

この研究では、ブタの肺をモデルに、気管吸引に呼吸介助を加えることで、喀痰量に変化があるのか調査しています。その結果、気管吸引単独より、呼吸介助と気管吸引を併用するほうが、有意に排痰量が増えたということです。呼吸介助は、行った時には呼気流速が上がり、排痰量が増える可能性があるので、臨床で有用だと感じる研究です。

下記原典では、具体的な排痰量のデータを詳しくみることができ、参考になります。是非、ご覧ください。

Akira Ouchi et al. Effects of Manual Rib Cage Compressions on Mucus Clearance in Mechanically Ventilated Pigs. Respir Care. 2020 Aug;65(8):1135-1140.
https://rc.rcjournal.com/content/65/8/1135.short

この情報が皆さんの診療に役立つことを願っております。

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