日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【腸活でサルコペニアを防ぐ!?】Dr中西の離床面白エビデンス

人気コーナー「Dr中西の離床面白エビデンス」の最新情報をお届けします!
このコーナーでは、当会の医師部会の中西医師が“これは面白い”という、離床にまつわるエビデンスを紹介。
中西節でわかりやすく、楽しく、ユーモアを交えて教えてくれます。

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みなさんこんにちは。筋萎縮ゼロプロジェクトの中西です。

今回は「腸活でサルコペニアを防ぐ!?」を紹介します。皆さん腸活をしていますか?

腸活とは食事や運動などにより腸内環境を整えることです。病は腸からともいわれる通り、最近では腸内の細菌が様々な疾患やストレスなどに、大きく関係していることが注目を集めております。さてさて、サルコペニアにも腸内細菌が関係していることをご存じでしょうか。今回はサルコペニアと腸内細菌の関係を調べて研究の紹介です。

中国のLiuさん達は、腸内細菌とサルコペニアに関する観察研究を行いました。この研究では283人の患者が対象になり、アジアのAWGS2014の基準を満たした患者は141人でした。283人の便を集め続けるというのも、なかなか大変な研究です…

Prevotella copriという細菌が、サルコペニアの患者で少なかったようです。さらにこの研究では、基礎研究でマウスにPrevotella copriを投与して、筋肉量、身体機能や握力などが改善することも確認しています。さらにさらにこの研究では、Prevotella copriと血液中の分岐鎖アミノ酸の増加の関係も、報告しています。つまりこのPrevotella copriという菌がいると、筋合成に重要なアミノ酸の吸収が増加するということです。すごい報告ですね。

サルコペニアの予防には、腸内環境から整えていかないといけないようです。それでは明日からも腸活で、“菌”萎縮予防を目指しましょう!!

ダジャレでした。菌と筋だけに(汗)。

Prevotella copri alleviates sarcopenia via attenuating muscle mass loss and function decline
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/jcsm.13313