日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【痛みと可動域だけではダメ】栄養と離床に関する最新エビデンス

栄養不良がみられる高齢者外傷患者さんは、術後の離床が遅れることが明らかになっており、栄養状態と術後の回復の関係性が注目されています。そんな栄養状態と術後の歩行自立の関係性について、興味深い報告が届きました。

この研究では、転子部骨折後に手術(TFNA)を受けた患者さんの、術後の離床状況と、栄養学的予後指数(PNI)の関連性について調査しています。PNIは、アルブミンなどの栄養指標から、術後の合併症発生の予測に用いられている指標で、値が高いほど合併症発生リスクが低く、予後が良いといわれています。その結果、TFNA術後に歩行可能な患者さんは、PNIの値が高く、栄養状態も良いことが分かりました。

整形術後は痛みや筋力に目が向きがちですが、嚥下障害や肝疾患など、慢性的に栄養不良となる既存疾患がある患者さんを離床する場合には、栄養状態の改善も視野に入れた介入が必要だと感じる研究です。下記の原典では、術後貧血などの既存疾患と離床の関連性についても見ることができ、参考になります。是非、ご覧ください。

【文献情報】
Leon Marcel Faust et al.Predictive Value of Prognostic Nutritional Index for Early Postoperative Mobility in Elderly Patients with Pertrochanteric Fracture Treated with Intramedullary Nail Osteosynthesis.J Clin Med. 2023 Feb 23;12(5):1792. doi: 10.3390/jcm12051792.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36902579/

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