
人気コーナー「Dr中西の離床面白エビデンス」の最新情報をお届けします!
このコーナーでは、当会の医師部会の中西医師が“これは面白い”という、離床にまつわるエビデンスを紹介。
中西節でわかりやすく、楽しく、ユーモアを交えて教えてくれます。
*********************************
みなさんこんにちは。筋萎縮ゼロプロジェクトの中西です。
今回は「離床にはクレアチン!?」を紹介します。皆さんクレアチンを摂取してますでしょうか? クレアチン?名前は聞いたことはあるけど、腎機能?って感じでしょうか。
腎機能でよくでてくるのはクレアチニンですね。クレアチンはグリシン、アルギニン、メチオニンの3つのアミノ酸から構成されます。クレアチンにリン酸が結合したクレアチンリン酸の状態で、筋肉にエネルギー源として貯蔵されています。そしてこのクレアチンが分解されるとクレアチニンになります。
つまり、このクレアチンを摂取すればするほど、エネルギーに満ちあふれてパワーがでやすくなるかもしれません。
このクレアチンを摂取してリハビリをした方が、リハビリの効果がでるのでしょうか。この疑問に答えるため、アメリカのBurkeさん達はメタアナリシスを行いました。メタアナリシスの対象となったのは、クレアチンと抵抗運動を最低6週間は継続した研究です。単変量解析の結果では有意な結果はなかったようですが、多変量解析で上下肢の筋肉の厚みを1mm-1.6mm増加させるという、有意な結果が得られたようです。6週間使用して1mm… 筋トレは大変ですね。
ただこの研究は健常者を対象としたものですので、もしかして、ICUにいるような重症患者では離床を促進して、筋萎縮を予防するかもって期待しちゃいますね! 今後の研究が待たれます。
The Effects of Creatine Supplementation Combined with Resistance Training on Regional Measures of Muscle Hypertrophy: A Systematic Review with Meta-Analysis
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37432300/