日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【離床はすればするほどいい!?】Dr中西の離床面白エビデンス

人気コーナー「Dr中西の離床面白エビデンス」の最新情報をお届けします!
このコーナーでは、当会の医師部会の中西医師が“これは面白い”という、離床にまつわるエビデンスを紹介。
中西節でわかりやすく、楽しく、ユーモアを交えて教えてくれます。

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みなさんこんにちは。筋萎縮ゼロプロジェクトの中西です。

今回は「離床はすればするほどいい!?」を紹介します。皆さんの施設で、早期離床は実施してますか!?

早期離床が重要なことに、皆さん異論はないかと思います。しかし、この離床ってすればするほど予後がよくなるんでしょうか?もしかして、ちょっとするだけで十分とか(泣)今回の内容は、このよう疑問に答える研究です。

米国シアトルのMazwiさん達は、こういった臨床疑問に答える前向き観察研究を2017年から2019年まで行いました。対象となったのは、ICUに入室する重症脳卒中の患者さんです。離床の程度は、Mobilization Quantification Scoreを用いて評価したようです。このスコアは日々の離床のレベルとその時間をスコアリングしたものです。

例えば、患者さんがベッドから椅子へ移動(5点)、椅子に4時間座っていた(2点)、ベッドに戻る(5点)という離床では5×1+2×4+5×1=18点となります。4カ所のICU(アメリカ2箇所、ヨーロッパ2箇所)で、元々ADLが自立してた163人の成人患者が対象となりました。患者さんの背景として、離床の程度は施設や患者さんにより異なり、重症度で異なるということはなかったようです。Mobilization Quantification Scoreが7.3以上の、離床が多い患者さんで退院時に自宅退院できる患者さんが多かったようです。

やはり、社会復帰を目指すには離床の強度と時間が重要になってくるようですね。それでは椅子に20時間座っていようというわけではないですよ(笑)

Effects of Mobility Dose on Discharge Disposition in Critically-Ill Stroke Patients
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37448373/