日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【栄養か、運動機能か】心不全患者さんの離床最新エビデンス

心不全患者さんの予後には、栄養状態や運動機能、ADLなどの様々な要因が影響していると言われていますが、具体的にどの指標が最も的確に予後予測を反映しているのでしょうか。そんな高齢心不全患者さんの予後予測の指標について、興味深い報告が届きました。

この研究では、839名の高齢心不全の患者さんを対象に、退院直前の栄養状態やADL、下肢筋力のうち、どの項目が1年後の予後を正確に予測できるのか調査しています。その結果、血清アルブミン値,現体重,理想体重から計算できる栄養リスク指標GNRI(Geriatric Nutritional Risk Index)が最も正確に、退院1年後の予後を予測できることが分かりました。退院直前の栄養状態が、1年後の予後にまで影響を及ぼすとは驚きです。また、GNRIは栄養の評価ツールだけでなく、高齢心不全患者さんの予後予測の指標になるということも新しい視点だと思います。

下記原典では、各項目と予後の関係性や各項目同士の相関関係についても言及されており、参考になります。是非、ご覧ください。

Masakazu Miura et al.The impact of geriatric nutritional risk index on one-year outcomes in hospitalized elderly patients with heart failure Front Cardiovasc Med. 2023 May 30;10:1190548. doi: 10.3389/fcvm.2023.1190548. eCollection 2023.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37324617/

この情報が皆さんの診療に役立つことを願っております。

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