日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【側頭筋と認知機能の意外な関係】脳梗塞の離床最新エビデンス

脳卒中後の認知機能障害(PSCI)は、有病率が90%と高く、早期のPSCIは、脳卒中回復初期に影響すると言われています。そんな、早期のPSCIと骨格筋量の関係性について興味深い報告が届きました。

この研究では、急性脳梗塞患者さん126名の高齢者を対象に、側頭筋量と脳卒中後早期の認知機能との関連性について調査しています。具体的には、側頭筋量はT2強調MR画像を使い計測され、認知機能はモントリオール認知評価(MoCA)にて評価されました。その結果、側頭筋量は、脳卒中後早期の認知機能と関連性が認められ、側頭筋量が少ない人はPSCIになりやすいということです。側頭筋の厚みから脳梗塞早期の認知機能障害のリスクを予測し、早期アプローチの対策に活かすことができる可能性を感じる研究です。

下記の原典では、具体的な画像や認知機能評価のデータをみることができ、参考になります。是非、ご覧ください。

【文献情報】
Ho-Geon Namgung et al.Association of Temporalis Muscle Mass with Early Cognitive Impairment in Older Patients with Acute Ischemic Stroke.J Clin Med
. 2023 Jun 15;12(12):4071. doi: 10.3390/jcm12124071.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37373767

この情報が皆さんの診療に役立つことを願っております。

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