日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【ABCDEFバンドルは小児にも有効!?】Dr中西の離床面白エビデンス

人気コーナー「Dr中西の離床面白エビデンス」の最新情報をお届けします!
このコーナーでは、当会の医師部会の中西医師が“これは面白い”という、離床にまつわるエビデンスを紹介。
中西節でわかりやすく、楽しく、ユーモアを交えて教えてくれます。

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みなさんこんにちは。筋萎縮ゼロプロジェクトの中西です。

今回は小児領域についてのお話です。ABCDEFバンドルってご存じでしょうか。急性期はなんでもABCDって略語作っちゃうんで、もう何がなにか分からないですよね(汗)

いろんな略語があるなかでも、集中治療領域のABCDEFっていうのは知っておいた方がよいと思います。つまり、1つの介入のみでなく、バンドル(束)になっていくつかの介入をまとめてしていく取り組みのことです。ABCDEFというのは以下の略語になります。

A: Assess pain 疼痛評価
B: Both SAT and SBT 覚醒・自発呼吸テスト
C: Choice of drugs 薬剤の選択
D: Delirium せん妄の管理
E: Early mobility 早期離床
F: Family 家族

つまり、疼痛をしっかり評価して、深鎮静にせず、適切な鎮静レベルを維持して、早期離床もして、せん妄も予防して、それらを家族と一緒にしましょうっていう介入です。これは本当に意味があるのでしょうか。

アメリカのジョンさん達は多施設で小児におけるABCDEFバンドルの効果を調べました。11ヶ月の研究で対象となったのは622人の患者さんです。このABCDEFバンドルを使用すればするほど、死亡率まで低下したようです。死亡率まで低下するというのはすごいですね。このABCDEFバンドルが、大人で有効という論文は以前からありましたが、小児でも効果があったという報告はおそらく初じゃないでしょうか。明日から、大人子供問わずABCDEFバンドルを実践してきましょう。離床も含まれていますからね~

Caring for Critically Ill Children With the ICU Liberation Bundle (ABCDEF): Results of the Pediatric Collaborative
https://journals.lww.com/pccmjournal/Abstract/9900/Caring_for_Critically_Ill_Children_With_the_ICU.194.aspx

[明日締切:中西先生による筋萎縮評価に関する講座]
画像から読み解く重症度と離床可否の判断~「筋萎縮・骨粗鬆症」の重症度と離床可否の判断~
【講師】中西 信人 先生
https://www.rishou.org/seminar/theory/r137-2023#/

皆様の申し込みを心よりお待ちしております。