日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【車エビで離床栄養!?】Dr中西の離床面白エビデンス

人気コーナー「Dr中西の離床面白エビデンス」の最新情報をお届けします!
このコーナーでは、当会の医師部会の中西医師が“これは面白い”という、離床にまつわるエビデンスを紹介。
中西節でわかりやすく、楽しく、ユーモアを交えて教えてくれます。

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みなさんこんにちは。筋萎縮ゼロプロジェクトの中西です。

今回は車エビとHMBのお話です。えっ、ついに頭がおかしくなっちゃたのかと思われる方もいるかもしれませんが、ちゃんと離床に関係した内容です。

リハ栄養、離床栄養は最近のホットなトピックでやはりリハビリや離床のみでなく栄養がないことには筋肉もつきません。そこでプロテインの一つとしても愛用されている、HMBが筋肉の合成に重要になってくる可能性があります。このHMBというのは、β-hydroxy-β-methylbutyrateの略で簡単にいうとアミノ酸の一つです。アミノ酸の中でも、特に筋肥大に最も重要と言われている、ロイシンが身体の中で代謝されて出来るアミノ酸です。HMBは実際に筋肉の合成に有効なのでしょうか?中国のMuさんは、HMBを車エビに摂取させてその効果を調べました。

車エビ!?なんと8週間、0.25 g/kg, 0.5 g/kg, 1 g/kg, 2 g/kg、4 g/kgに分けて投与して、筋肉などへの影響を調べたようです。結果はHMBが多い方が、トリプシンを活性化、TOR経路を活性化させて、車エビの筋肉の堅さ、水分量、コラーゲンの量、筋線維の密度などに寄与したということです。つまり、HMBを投与した方が、身の詰まった筋肉の多い車エビになったようです。つまりつまり、HMBはやはり筋肉増強に寄与するようです。

なぜ、車エビで研究したかって??それは分かりません(泣)

明日から蛋白の多い車エビを食べて、離床栄養ですね!!

ちなみに車エビはCar shrimpではなくMarsupenaeus japonicasというようです…

Dietary β-Hydroxy- β-Methylbutyrate Supplementation Affects Growth Performance, Digestion, TOR Pathway, and Muscle Quality in Kuruma Shrimp ( Marsupenaeus japonicas) Fed a Low Protein Diet
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36860981/

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