日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【何日目までの離床が有効?】人工呼吸器装着患者さんの離床の効果とバリア

人工呼吸器装着患者さんは、離床をなるべく早く開始したほうがよいのでしょうか?

人工呼吸器装着患者さんの離床開始日が予後に与える影響と離床の障壁(バリア)について、興味深い報告が届きました。この研究では、48時間以上人工呼吸器を装着した206名を対象に、離床開始日数と退院時のADL自立度や離床の障壁について調査しています。その結果、5日以内に離床をすると退院時ADL自立度と関連していることがわかったということです。離床の障壁となる要因については、1~2日目は血圧や不整脈などの循環因子、3~5日目には高熱や出血などの医学的な禁忌が影響していると報告されています。人工呼吸器装着した患者さんは、時期による離床のリスクを見極めてアセスメントを行い、5日目までに離床を進めることが重要だと感じる研究です。

下記の原典では、1日あたりの離床の頻度や詳細な離床の障壁のデータをみることができ、参考になります。是非、ご覧ください。

Shinichi Watanabe et al. Association between the early mobilization of mechanically ventilated patients and independence in activities of daily living at hospital discharge.Multicenter Study Sci Rep. 2023 Mar 14;13(1):4265. doi: 10.1038/s41598-023-31459-1.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10015081/

この情報が皆さんの診療に役立つことを願っております。

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