日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【臥床しても上肢は弱くなりにくい!?】退院6か月後の上肢機能

急性期に起こる筋力障害(ICU-AW)は、重症患者さんにみられる合併症ですが、上肢の筋へ影響はどのくらいあるのでしょうか。

そんな急性期の患者さんの、上肢の筋力障害について、6ヶ月後まで長期間の調査をした、興味深い報告が届きました。この研究では、急性期に人工呼吸器管理だった重症な患者さんの、退院後6ヶ月の上肢機能や筋力、QOLについて調査しています。その結果、人工呼吸器を装着していた患者さんの上肢機能のパフォーマンスは、同年齢の健常者の半分以下で、筋力やQOLの低下も有意にみられたというのです。急性期後の長期的な障害は、歩行などの活動だけではなく、上肢機能にも着目して、急性期から生活期までフォローする必要があると感じる研究です。

下記原典では、上肢機能や筋力に関する詳細なデータをみることができ、参考になります。是非、ご覧ください。

Daniela Andrade de Carvalho et al. Upper limb function of individuals hospitalized in intensive care: A 6-month cohort study. Heart Lung. 2023 Jan-Feb;57:283-289.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36332353/

この情報が皆さんの診療に役立つことを願っております。

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