日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【重症患者さんは1日でどのくらい筋萎縮が進む?】Dr中西の離床面白エビデンス

人気コーナー「Dr中西の離床面白エビデンス」の最新情報をお届けします!
このコーナーでは、当会の医師部会の中西医師が“これは面白い”という、離床にまつわるエビデンスを紹介。
中西節でわかりやすく、楽しく、ユーモアを交えて教えてくれます。

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皆さんこんにちは。筋萎縮ゼロプロジェクトの中西です。筋萎縮に関して、とっても興味深いレビューが報告されましたので共有します。イギリスやドイツなどのグループからの報告です。

さて、重症疾患における筋萎縮が注目を集めておりますが、実際にはどれくらい筋萎縮が起こっているのでしょうか。そしてどのような評価方法が主流なのでしょうか。この研究では、52の研究、3251人が対象となっており、光栄なことに、私の筋萎縮ゼロプロジェクトの研究も3つ含まれております。それでは、まずは筋萎縮評価の方法として最も一般的な方法はなんでしょうか。超音波が85%、CTが15%という結果でした。筋萎縮の評価というのは経時的な筋肉量の変化を評価するので、より低侵襲でベッドサイドにて利用できる超音波が、やはり主流なようですね。

そして、重症疾患罹患後の最初の1週間に大腿直筋の筋厚であれば1日に1.75% 、筋断面積であれば2.10%の筋肉が萎縮していくようです。筋萎縮自体が重症疾患で大きな問題であることは、間違いないと思います。筋萎縮予防のために何ができるのか、その重要な一つは離床であるかと思います。日本離床学会でも、筋萎縮予防のためにみんなで取り組んでいきましょう!

一人でできないことも、みんなで力を合わせればできるはずです。

The rate and assessment of muscle wasting during critical illness: a systematic review and meta-analysis
https://ccforum.biomedcentral.com/articles/10.1186/s13054-022-04253-0